Creativity Sharing and
Entrepreneurial Support

オープンデータ・アイデアソンin大阪

event date: Nov 9, 2013
License : CC0
◎名称:オープンデータ・アイデアソンin大阪~オープンデータでビジネス興し~ ◎日時:2013年11月9日(土)13:30~17:20 ◎会場:グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7階 大阪イノベーションハブ ◎主催:経済産業省・総務省 ◎共催(順不同、敬称略):大阪市、LODチャレンジ実行委員会、社会基盤情報流通推進協議会(AIGID) ◎後援(順不同、敬称略):国土交通省国土地理院、オープンデータ東海、株式会社国際電気通信基礎技術研究所、大阪市都市型産業振興センター、NPO法人位置情報サービス研究機構(Lisra)、gコンテンツ流通推進協議会 ◎事務局:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)、オープンデータ流通推進コンソーシアム  日本経済の西の中心である大阪にて「オープンデータ・アイデアソンin大阪」を開催しました。サブテーマを「オープンデータでビジネス興し」と設定し、ベンチャースピリッツに富んだ大阪の気風がオープンデータの新しいアイデア創出に資することを期待したところ、週末にもかかわらず民間企業や自治体の職員、また大学や高専の学生など、総勢67名もの参加者に恵まれました。  社会課題テーマごとに7つのテーブルに分かれ、参加者それぞれの視点から地域の課題を見つけ、どのようにしたら解決することができるのかアイデアを練り、さらにアイデア実現のために必要となるデータはどのようなものか、実現にあたってどのようなハードル(技術、ルール、人等)が考えられるか、約100分間にわたって議論いただきました。
Update: Nov 28, 2014

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◎グループ①テーマ:観光に来る人が増える街にしよう(観光・安心安全) ◎ファシリテーター:西尾 信彦氏(立命館大学) ◎アイデア名称:緊急地震速報(Push情報)をキックし、避難誘導(Push情報)を行うアプリ ◎利用するオープンデータ:避難所情報、通行情報等 ◎議論の概要 「うめちかナビ」を事例に、回遊性を上げる(たくさんの人にきてもらう)ために、単なる地下街ナビにとどまらない、かつデュアルユースなサービスを検討した。解決策として、「Pull情報(自分からとりにいく)とPush情報(勝手に情報を取得できる)の組み合わせ」が効果的ではないかという意見を具体化することになり、具体的なアイデアとして、「緊急地震速報(Push情報)をキックし、避難誘導(Push情報)を行うアプリ」が出された。利用できる公共データとして、「施設情報(店舗/トイレ/コインロッカー等)」や、「人流情報」、特に、避難誘導においては、「その人がどこに住んでいるかの情報」、「避難所情報(帰宅難民用なのか地域住民用なのか)」等が利用できるのではないかとの意見があった。また、ゲーム的な要素を取り入れて、「平常時から災害の訓練を行う」ことや、デジタルデバイドを考慮し、携帯端末だけでなくサイネージなどの活用も重要であるとの意見があった。 議論を通じて、自治体が更新している情報、市民の力を借りて更新していく情報、ソーシャル情報等の性格をよく理解しうまく組み合わせて利用することが重要だという結論に至った。
グループ①ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ②テーマ:もっと元気な街にしよう(地域振興) ◎ファシリテーター:新井 イスマイル氏(明石高専) ◎アイデア名称:エアコン情報サービスによる、場の価値/場の快適さの分析サービス ◎利用するオープンデータ:自販機の売り上げ情報等 ◎議論の概要 エアコンのデータを使って快適さを実現する情報サービスについて議論を行った。まずは「場の快適さ」とは何かを議論し、「快適」の要素として、「静か」「いい香り」「落ち着いた明かり」等、「不快」の要素として、「うるさい」「くさい」「まぶしい」等を整理した。「場の快適さ」を把握するためには、行政データだけでなく、民間データも活用できそうだとの意見があり、例えば自販機の売り上げデータなどからも、暑い/寒い等の快適さ測ることができそうとのアイデアが出た。 また、自治体の方を交えて議論を進めた結果、行政のデータの利用を促進していくには、データを公開した際の責任の所在が明確になることが重要であることがわかった。
グループ②ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ③テーマ:日本で一番安全な街にしよう(防災) ◎ファシリテーター:吉田 博哉氏(神戸情報大学院大学) ◎アイデア名称:地域住民/消防団等とのコミュニティサイトの連携サービスによる街づくりの最適化 ◎利用するオープンデータ:コミュニティ活動情報等 ◎議論の概要 「安全な街にしたい」というテーマから連想する課題を書き出してグループ化していった。本テーブルの参加者からは「コミュニティ」が最も関心が高かった。 様々なアイデアが出されたが、例えば、消防団のコミュニティ活動の参加記録をSNSと連携し、参加できるグループをリコメンデーションしてはどうかといったアイデアや、住民から寄せられる苦情処理について手伝えるお助け出会いサイトといったアイデアが出された。
グループ③ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ④テーマ:世界で一番交通が便利な街にしよう(交通) ◎ファシリテーター:河口 信夫氏(名古屋大学) ◎アイデア名称:らくらく自転車ナビ/雨の日快適ナビ/座れる電車ナビ ◎利用するオープンデータ:交通量情報、イベント情報等 ◎議論の概要 様々な課題、アイデアをとにかく参加者全員で書き出し、120ものアイデアが出された。分野ごとにアイデアを整理し、インパクト、実用性、面白さから3つのテーマに絞って議論を進めた。 「らくらく自転車ナビ」は、自転車を活用することで健康によいし通勤費も下がることに着目したものであり、公共データとして、「交通量情報」、「駐輪場情報」、「街路灯情報」が使えるのではないかとのアイデアが出された。 「雨の日快適ナビ」は、ぬれずに移動できるよう、地下街、地下道、水たまりの位置、屋根のある場所、傘が買える場所をナビしてあげるものであり、公共データとして、「地下街情報」等と、ソーシャル情報として、「水たまり情報」等を組み合わせるとよいとのアイデアが出された。 「座れる電車ナビ」は、電車の重量が実は把握されており人数は推計可能であることに着目し、イベント等による混雑情報を事前に把握できるのではないかというアイデアが出された。
グループ④ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ⑤テーマ:もっと暮らしやすい街にしよう(交通) ◎ファシリテーター:古崎 晃司氏(大阪大学/LODチャレンジ) ◎アイデア名称:街の施設情報を横断的に検索するサービス ◎利用するオープンデータ:施設情報、混雑情報等 ◎議論の概要 街中の施設情報(ベンチ、飲料自動販売機、授乳室、自転車置き場、トイレ等)を民間/公共を問わず網羅的に検索するサービスがほしい、加えてその混雑情報も知りたいという意見から、議論を進めた。 災害時に無料で飲料提供する自販機や、災害時にトイレになるベンチは民間の施設であっても、行政の防災計画に登録されるので、行政に情報が集約されており、オープンデータにより活用できるとの意見が出た。
グループ⑤ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ⑥テーマ:地域力が強い街にしよう(地域振興) ◎ファシリテーター:坂下 哲也氏(JIPDEC) ◎アイデア名称:タブレットによる電子回覧板サービス(マイナンバーによるパーソナライズ化) ◎利用するオープンデータ:幸福度指数、保育所情報等 ◎議論の概要 人が集まる街にするにはどうしたらよいかを議論し、既存の社会の常識を超えた盛り上げが必要だとの意見が出た。 そのために必要な情報は、「アレルギー対応の有無」「保健所の入りやすさ」「幸福度指数」「深夜交通」など公と民の間の情報を協働で作る必要があるとの結論になった。つまり、「行政からのファクト」だけでなくソーシャルの付加価値が必要ということである。サービスアイデアとしては、魅力が上がる地域プラットフォームを作って電子回覧板で情報発信してはどうかとの意見が出て、将来的にはマイナンバーを活用して、「その人にあった情報を流す」という発展性のあるアイデアが出された。
グループ⑥ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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◎グループ⑦テーマ:地産地消力で便利な街にしよう(地方自治) ◎ファシリテーター:高橋 徹氏((株)ATR Creative) ◎アイデア名称:地域性の高いデータを集約した暮らしやすさマップの作成 ◎利用するオープンデータ:表札データ、高齢者のいる家庭の情報、非常時に重機を操作できる人の情報 等 ◎議論の概要 「データの地産地消」キーワードににオープンデータを議論した。地域の表札情報等から地域の地図をつくる、高齢者がいる家庭の情報を共有し災害時など近隣の人が助けにいく、非常時に使える重機を保有する会社の情報がわかれば災害対応が迅速になるのではないか等、いろいろなアイデアが上がった。 その中で、オープンデータを出す側はデータがどう使われるかわからないし、データがほしい側はどこにいうとデータがもらえるのかわからず、このハブとなる役割が必要なのではないかという議論になった。 地域のNPOがハブとなって、NPOが地域の人だからこそほしい情報に加工してあげたり、地域から求められるサービス(グルメマップ、地域の一人暮らしの見守り、防災訓練のデザインプロデュース等)を創出し、持続可能な運営ができる形になるとよいという結論になった。
グループ⑦ディスカッション成果
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)
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 アイデアソンでは、ディスカッションの進め方に決まった方法はなく、テーブルごとにファシリテーターの皆様に応じたスタイルで進められました。付箋や模造紙を活用したり、クリップボードに順番にアイデアを書いていったりと、その手法も創意工夫あふれたものでした。ご参加いただいた方は、誰もが真剣に考え、積極的にご意見を述べられており、その熱意に圧倒されるばかりでした。  発表も、グループごとにファシリテーターが行うところもあれば、参加者自ら立候補したグループもありさまざまなスタイルが見られました。形になったアイデアについて説明するだけでなく、参加者の皆さんがどのような課題意識をもって望まれたか、どのような発想でアイデアを膨らませていったのかといった、議論のプロセスについても多く語られ、参加者の熱意を強く感じるものでした。また、参加者からも次のような感想をいただきました。 ・アイデアソンのようなイベントには初めて参加したのですが、オープンデータを活用したアプリ開発に向けてのヒントを得ることができました。(IT事業者) ・若い学生さんたちから多くの刺激をもらい、とても有意義な時間を過ごせました。ユースケースコンテストにも応募しようと思います。(IT事業者) ・民間・自治体の方々と議論ができて、とても貴重な経験をすることができました!(学生)  アイデアソンの終了後、会場近くのイタリアンレストランにてささやかな懇親会の場を設けました。こちらにも多くの方にご参加いただき、アイデアソンの続きの議論をされる方もいれば、そこから発展して実装技術の検討をされる方など、大変にぎやかな場となっていました。  アイデアソンという、新しい形の参加型のイベントとあって、不安げな表情で会場入りされる参加者も見受けられましたが、ファシリテーターをはじめとしてご協力いただいた方のご尽力、そして参加者同士のコミュニケーションによって、アイデアソンとして有意義なものとすることができました。そして、オープンデータという新しいムーブメントに対する人々の大きな期待が肌身をもって感じられたイベントになりました。  ご参加およびご協力いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。
Update: Nov 27, 2014 (Yutaka Matsutani)

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